トルコ風まぜそば

趣味について

仁王を終えて

 令和元年 皐月、仁王をプレゼントされてしまった。チクチクするゲームだと聞いていたので、強い動きでゴリ押すのが好きな自分がやったらイライラするだろうなと思ったし、予想だにしない死に方をする数々の落命動画を見ていて心底やりたくなかった。

 ......心底やりたくなかったのだが、周りの悪いサムライ達から仁王ハラスメントを受けて渋々始めてしまい、本編をクリアしてしまい、DLCを買ってしまい、今は3周目をやっている。DLC含めたメインストーリーを終え、いい区切りなのでごく簡単に仁王の感想をまとめておきたい。

 

 良かった点

・ 魅力的なキャラクター

 仁王では憑いている守護霊がウィリアムに分霊されると、その人にまつわる小話を見ることができる。人物名鑑で詳細なプロフィールを確認することもできる。そうやって登場人物への理解を深めていくと敵であってもすごく魅力的に映る。

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好きなシーン

 特に最初から最後までウィリアムに付き添い、DLCではヒロインお勝を差し置いてというかお勝の代わりにヒロインとなる服部半蔵は、自らの使命と友情の間に揺れていい味を出している。

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アツイ仲間達

・重厚な時代考証

 この手のゲームを作ることに長けたコーエーお家芸なのかもしれないが、時代考証が丁寧だった。そして史実の良さを壊すことなくフィクションと混ぜ込んでる。明智光秀が天海として石田三成を諫めたり、伊達政宗の側室マリアが暗躍したりとやりたい放題である。前者は『真田十勇士』、後者は山岡荘八著の『徳川家康』から着想を得ているのだろうが、やりたい放題でありながらも自然に物語に溶け込ませていて好感が持てる。

 

・戦闘そのものは面白い

 輪入道、大筒鬼、禍ツ武者、飛縁魔、雪女などなど理不尽な攻撃をする敵は確かに存在するが、それを理不尽と思うのは仁王というゲームへの理解が浅いからであって、戦闘を重ねて敵の攻撃パターンを見抜き、最適な回避/攻撃方法を編み出した暁には歯ごたえのあるいい敵だと思えるようになってくる。戦闘中も、段々と最適行動がとれるようになってゆき、落命を重ねるごとに敵のゲージの減りが長くなっていくのを見て成長を実感することができる。特に終盤は武技や陰陽術、忍術が充実してきてカスタマイズ性が高くなっており、攻略対象ごとにいかなる手段でいかに迅速に始末するか考えるのも面白い。

 

悪かった点

 挙げればキリがないので、ごく一部だけ紹介したい。

 

・よく死ぬのにゲームシステムがよく死ぬことに優しくない

 仁王では落命すると守護霊が落命した地点でアムリタ(レベル上げに使う)を守っている。なので、復活後は落命した地点まで守護霊を回収しに行かなければいけない。ただし、一度通った道とはいえ守護霊回収前に道中で落命する可能性は十二分にあるわけで、そうなると守っていたアムリタを全て失う(守護霊は帰ってくる)。レベル上げはセーブポイントである社でできるので、こまめにやっている場合は痛手ではないのだが、レベル上げを忘れていたり、レベル上げをしない縛りプレイをしていたなどの理由でアムリタを大量に所持していると地獄を見る。一応守護霊を回収するアイテムは存在するが、消耗品なのでそう頻繁に使えるわけでもない。道中は尋常でない量の危険個所があることと相まって、最もイライラする要素。

 ボス戦直前の社からボス戦までの距離が離れていることもよくない。特に大蝦蟇や雪女は距離が遠く、駆け抜ける場合は決死の行軍となる。前述の落命を重ねるとアムリタをロストすることと相まって、何度も挑戦することになるボス戦と相性が悪い。

 あと、落命した場合も消耗品は帰ってこない。例えば飛縁魔の咆哮は確定で麻痺してしまうのだが、直前でもらえる麻痺治しの針は3本だけである。慣れてないうちは結構被弾してしまうので、一戦で使い切ってしまう。そして落命しても消費したアイテムは戻ってこないので、正しい麻痺治しの針の使い方は、ある程度慣れてきてもう少しで勝てそうというときにうっかり被弾してしまったら使うというのであり、下手な人ほど救済アイテムを使ってはいけないという意味の分からない状況が発生する。あと仙薬もしっかり消耗品なので、ボスにハマり続けると無くなる。

 以上の要因から、常にある程度リスクを加味して保身的な行動を取らざるを得ず、それが爽快感を阻害している。

 

・一対多の戦闘は理不尽

 戦闘が面白いと書いたがあれは一対一で向き合えるからであって、サブミッションでよくある大ボスを2体以上同時に相手取る戦闘や雑魚がたくさん湧いてくる戦闘は本当につまらない。なぜなら視界外から即死級の攻撃が飛んでくるし、長引きがちなので落命した時の絶望もひとしおである。

 一対多の攻略法は九十九武器でゴリ押すしかなく、九十九でゴリ押している間は楽しいのだが、視界外から即死級の攻撃が飛んでくると九十九が割れるしガードされている間に九十九が終わってしまうので本当につまらない。周回を重ねると九十九も通用しなくなるようでさらにつまらなさに拍車がかかりそうだ。

 

・道中の視界が悪い

 岩が転がってきたり踏むと火矢が飛んできたり埴輪が毒を吹いたり床が抜けたり火矢の待避所が火矢によって破壊されたり天井が落ちてきたりすることはギリギリ許しているが、厳島神社佐和山城は道中が薄暗く、目を凝らしながら進まなければいけない。これは目に悪いので許していない。

 

まとめ

 三途の冥銭で琵琶牧々が出てくる理由を誰も説明できないのでもう二度とやりたくない。